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Polyphaser
(ポリフェーザー社:アメリカ)


「雷撃防護の基礎知識」
The "Grounding" for Lightning and EMP Protection

第5章:接地インピーダンス

●土壌の電導度

鉄塔には支索の有るタイプ、無いタイプがありますが、いずれの場合でも雷撃に有効な接地システムを構築する際には、接地ロッドの種類、数量、長さ、直径などのパラメータを決定しなくてはなりません。こうした諸元を決定する際には、土壌の電導度を知っておく必要があります。

●電導度の計測

土壌の抵抗値を簡単に知る方法を述べることにします。同間隔に配置された電極が浅い地面に垂直に埋め込まれている状態を考えます。埋設深さ(b)は電極間隔(a)に比べて小さく、およそ1/20以下であるとします。外側の2本の電極間を流れる電流がわかれば内側の2本間のポテンシャルを求めることが出来ます。電極間隔が数メートルのオーダーのとき、土壌の電導率は左記の公式があてはまります。

左式では土壌の電導率は[Ω/m]で表されます。一般的に、電極間隔(a)はこの測定によって得られた土壌の深さによって変化します。電極間隔を見積もる際には、土壌の深さと電極率の関係式を求めます。土壌の電導性を求めるもう一つの方法は、自分で地面に打ち込んだ接地ロッドの電導率を実際に計測する方法です。測定結果をプロットし、理論計算から推測されるような変化がデータに現れるかどうかを調べます。

●接地システムの見積り

接地システムに対しては、実際に測定するのが最も優れた見積の方法です。しかし、測定方法は数多くありますが、その殆どが測定装置に定常的な直流電圧や低周波の交流電圧を印加する方法であるために、似たような誤りをおかします。この条件のものとでは、大きなサージ電流が加わりインダクタンスによる電圧降下が生じる状態のシミュレートは出来ません。RF理論に沿った設計のなされた、低インダクタンスの接地システムが接続されたシステムでは大きな問題は発生しません。
こうした計測は、サイトの地質状態を調べる際に用いられます。もし30m程度の接地回路を準備できないときには、3端子測定法により、2本目の接地ロッドを打ち込む前に土壌の状態を測定することが出来ます。(appendixに土壌の抵抗率の公式を掲載しています。)

アース自体は多くのサイトで設置してありますが、それらの多くは正確な状態が把握されていません。アースの測定自体がなされていないことが多く、又なされていたとしても変化してしまっている場合が殆どです。土壌の水分量は、温度の変化によって、その抵抗値は年月を経るに従って変化します。(水分量が多く、温度が高いほど抵抗値は減少します。)接地システムは他の機器と同じく、その機能を維持するためには基本的なメンテナンスは欠かせません。不幸なことに接地システムは直接人の目に触れることが少ないため、雷撃によって被害を受けるまで注意が向けられることがない場合が殆どです。

銅や亜鉛で構成された接地システムは、酸性土壌中ではすぐに腐食されてしまいますが、コンクリート等のようにアルカリ性の中では安定です。酸性土壌では唯一、アルミニウムが腐食に耐えますが、これはアルカリには侵されてしまいます。前もって土壌のpH値をプールや温泉で用いられるpHメーターで間単に測定しておくことをお奨めします。

pH値に加えて、土壌の水分と塩分の含有量も電導率に影響します。塩分が多いと、同じ水分量でも電導率は高くなります。土壌が電導性を持つためには、重量%にして16%の水分量を含有している必要があります。水分保持のために、土壌に石膏が添加されることがあります。石膏は水分を吸収する能力がベントナイトよりも優れ、乾燥した条件下でも水分を保持します。また、重量比で5%のエプソム塩を添加することで、土壌の水分保持能力と電導性が大きく向上します。

他の導体同様に、土壌の電導性も[Ω/m]、あるいは[Ω/p]で表されます。あるサイトの土壌の電導性は、等間隔に置いた4本のロッドを用いる方法(四端子測定法)によって測定することが出来ます。この方法は外側の2本の導体間に電流を流し、内側の2本の導体で電圧降下を測定するものです。多くのメーカーが土壌の抵抗値を測定するテスターを製造していますが、これらは低周波電圧(90Hz)を用いて測定を行っています。

ポテンシャル降下測定法として知られる三端子測定法も、接地ロッドのシステムの測定に用いられています。この測定法は四端子測定法に用いたテスタであれば、P1の端子とC1の端子を短絡することでどのテスタでも用いることができます。まずはじめにP1,C1とC2との距離をおよそ30mにとります。(実際の接地システムではこの距離はおよそ300mになります。)実際にロッドを埋設する間隔はP2を動かして測定することで得られたデータを元にして決まる接地システムの規模によって変化します。測定はP2をP1,C1とC2との延長線上を移動させて、電圧値を測定・プロットしていきます。得られた曲線状に見られるP2の位置を変えても電圧値が変化しない地点を、測定装置にある表や公式を用いて変換してやれば、求める接地システムの抵抗値が推算できます。

接地ロッドを地面に打ち込んだら、必ず計測を行ってください。多くのテスターで用いられている低周波の電源は、砂地等の土壌での接地システムに存在するはずのインダクタンスを考慮していません。接地システムのある土壌の密度を知るのに有効な方法は、埋設されたロッドそれぞれについてポテンシャル降下測定法を用いて計測し、その結果を記録していく方法です。それらをプロットすれば土壌の抵抗値の変化する地点の曲線が得られます。ここで大きく抵抗値の変化するところが粘土と地下水の層、或いは砂と砂利の変化するところです。このようにして土壌の状態を正確に把握することができれば、RF理論に基づいた有効な雷撃防護システムを構築することができます。

●Zサージについて

1979年3月のIEEE報告BC-25号第1編によると、実際の雷撃時にはロッドを含めた射状の接地システムは、直流やそれに近い低周波で計測したインピータンスの値よりも低い値を示します。これは、ロッドの回りに局所的にアークが飛び、土壌への電流の流出がスムーズになり、一時的に土壌のインピータンスが減少するためです。このため接地システムとして有効な範囲は一時的に増加します。どのように優れた接地システムであっても、一時的に土壌よりも電圧が高い状態が存在するためにアークが発生します。電流の土壌への流出がスムーズになれば、それだけサージ電流の立ち上がりが遅れ、このことはシステムの速度関数と時定時の変化で観測されます。(12章をご参照ください。)雷撃の衝撃が大きいほど発生するアークも大きく、インピータンスはより小さくなります。また、直流や低周波の電源を用いて計測されたインピータンスの値が小さいほど、計測値と実際の雷撃時の値との差は小さくなる傾向があることが知られています。

●アースへの電流の流出

どのような装置を用いても、RF電流のようなパルスはアースへ逃げるまで時間がかかります。電流は有限時間の間に抵抗損失を伴って流れるので、雷撃のあった位置からロッドまでの距離の差に応じてロッド間に電位差が生じる原因になります。雷撃のあった鉄塔に直結したロッドの場合、パルス電流はちょうど池に投げ込んだ小石の作る波紋のように土壌に流出していきます。しかし、通信機器と電源回路、電話線などのアース線がそれぞれ独立している状態のままであると、サージによるステップ電圧はこれらの異なったアース線の間に電位差を生じさせ、アース線から電流が逆流してしまう原因となります。もし同軸線に適切な処置がされておらず、単に鉄塔と装置の車台とを結ぶだけのものであったならば、このサージ電流は電話線や電源のアース線を流れて貴重な装置を次々と破壊してしまいます。

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