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Polyphaser
(ポリフェーザー社:アメリカ)


「雷撃防護の基礎知識」
The "Grounding" for Lightning and EMP Protection

第6章:バルクヘッドパネルへの取付け

●全てのアースの相互接続

雷撃による被害を防ぐために、接地システムは全てのアース線を電気的に接続しておく必要があります。雷撃はある一定量の電流を持っていますが、建屋の周囲にループ状の接地システムが構築されていれば、電流はこちらから放射状回路に流れて大地に放電され、建屋から直接放電される電流はほんの一部です。建屋の周囲にループ線を設置すれば、ループ内部のステップ電圧を低く押さえることが出来ます。これは、ループ上の電流が相互に反発する効果によるものです。この効果によりコンクリートを透過して流れる電流を減らすことができ、建屋内部の機器や作業員を保護することが出来ます。



●機器へのストレス

同軸ケーブルが鉄塔の底部にまで降りておらず、同軸線の外部シールド線が接地されていない場合や、システムに合ったバルクヘッドパネルが、絶縁されたシールドタイプのプロテクターと共に用いられていないようような場合は、どんなに接地システム自体が完全なものであっても雷撃時には装置にサージによる電圧がかかってしまいます。(ポリフェーザー社の絶縁プロテクターをご使用ください)

鉄塔のインダクタンスと電圧降下については既述の通りで、鉄塔の底部から5mの地点が好ましい接地点となっています。1[Ω/m]というのは直流にとってはよいアースに思われますが、接地の条件によっては装置や作業員に危険が及ぶこともあります。

1-5/8の同軸線の場合、シールド線を地面すれすれで急角度に曲げるということは物理的に不可能です。しかし、他の接地手段が見あたらないときには、シールド線をこの地点で地面に直結させてシールド線の電位をゼロにしておかなくてはなりません。
もし同軸線が鉄塔の高いところを離れて建屋の方に下りてくる場合は、建屋には地面すれすれの地点で、他の同軸線の接地も一手に引き受ける「イクイップメントハット」を通さなくてはなりません。

もしどの方法も使えず、同軸線が地面から離れた場所で建屋にはいらなくてはならないときは、大きな表面積を持つバンクヘッドパネルを用いて低インダクタンスの接地経路を確保します。

●バルクヘッドパネル

バルクヘッドパネルは長年にわたって用いられてきた方法です。その一番の理由は、イクイップメントハットを介して敷設されているケーブルを建屋に導入する場所を、バルクヘッドパネルを利用すれば構造的に強固なものに出来るからです。バルクヘッドパネルは硬質の金属板で出来ており、建屋の壁面に開けたケーブル導入用の穴のカバーになっています。

建屋に導入される同軸線が鉄塔の比較的高い地点から離れるときには、同軸線はバルクヘッドパネルで同軸線プロテクターに接続し、このプロテクターから装置までは細いケーブルを用いて接続する方法をお奨めします。これまでのバルクヘッドパネルの接地は、プレートから地面までをワイヤーで接続していましたが、このワイヤー自体が非常にインダクタンスの高いもので、高さ5mの鉄塔と同程度のインダクタンスを持っていて、アース線としての役割を果たせず、バルクヘッドパネルが同軸シールド線から受けたサージ電流を効果的に地面に放電することが出来ませんでした。

バルクヘッドパネルをケーブルのエントランス部分から建屋の外壁に沿って地面まで延ばせば、低インダクタンスの接地システムを構築することが出来ます。(平板の大きな表面積(表皮効果)と大きなW/H比により、この接地方法の方がインダクタンスは低くなります)バルクヘッドパネルにケーブルのシールド線を接地することで、雷撃によるサージ電流をアースする事が出来ます。(このためには、接地フィンガーを用いる必要があります。ケーブルとアタッチメント部には必ず雨除けのカバーを取り付けて下さい。取り付けの手間や重量、コストの低減等を考えると、このような銅板を地面まで延ばす事は避けたい場合があります。そういった場合には、分厚い銅板の代用品として厚さ0.16oの接地板があります。これは銅板よりも軽量で取り付けが容易であり、コスト的にも有利です。取り付けはシリコンによって壁に固定し、カバーを取り付けたりや塗装を施すことでによって、風対策及びカモフラージュにします。(ポリフェーザー社のバルクヘッドパネルシステムは多種多様の形態を取りそろえております。又、ビルトン(建込型)のキットは、紫外線カット・温度範囲-50〜+150℃のカバーによって保護されています。このキットは6インチ幅の銅板を複数枚用いて地中のサンドイッチバーまで電流を導き、ここで接地システムに放電を行います。)

●中心導体

同軸線のシールド線を流れる電流はケーブルを適切に接地すればアースする事が出来ます。しかし、これだけは不十分で、中心導体を流れるサージ電流も同時に、機器到達する前にアースしなくてはなりません。DCブロックタイプの雷撃用アレスタをバルクヘッドパネルに取り付ければ、中心導体を流れるサージのエネルギーをアースする事が出来ます。ポリフェーザー社の絶縁タイプのプロテクターを用いれば、銅板から接地システムへの接続からのサージ電流の進入を防ぐことが出来ます。

●サブパネル

雷撃防護をより確実なものにし、同軸線とアレスタ間の接触を中心導体のみに厳密に制限するために、バルクヘッドにサブパネルが取り付けられています。このサブパネルはメインパネルから壁面の穴を通じて建屋内部に突き出した格好になっていて、これにアレスタからループを構成するように銅板を接続します。テストや交換時の建屋内部のコネクタの接続を容易にするために、この銅板は取り外し可能になっています。ウェーブガイドを用いているときには、プロテクターが不要になるために環状のプレートは必要ありません。ウェーブガイドがきちんと接地されるためには、接地フィンガーを用い、雨除けのカバーを取り付けて下さい。サブパネルの奥行きは、16インチあり、これはコンクリートブロックで建てられた建屋の壁の厚さよりも十分大きく、またあらゆるケーブルを扱うことができ、ケーブルがプロテクターに入射する角度を、正しく垂直に保持します。

バルクヘッドパネルの材質として最適なものは1/8インチ厚さのC110と呼ばれる中硬度の銅板です。この硬さの銅板はタップによるネジ穴切りが可能で、重量は1u当たり約30sです。また、サブパネルとバルクヘッドとのマウンティングには18-8ステンレスが用いられます。

中小規模のサイトには、バルクヘッドパネルが建屋内部の唯一の接地ポイントになります。Uパネルは、穴をあけて同軸線を通すことでケーブルを保持するだけでなく、プロテクターからのアース用銅板、さらには機器を収納するトラックからのアース線を接続するポイントとしても利用します。この意味からもバルクヘッドパネルは建屋の接地の中心的な設備であるといえます。

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